豊田喜一郎文書集成  和田 一夫 (編集) 名古屋大学出版会

トヨタ自動車創業者の豊田喜一郎氏が執筆した文書をまとめた研究書。論文や寄稿、インタビューや設計図面、社内のあいさつ文など豊富に収録されており、資料的価値は極めて高い。

時系列で発表した論考やインタビューが収録されており、豊田自動織機の技術者として国産乗用車開発、トヨタ創業、戦時体制との関わり、爆撃による工場、ドッジラインによる物資不足、労働争議など、本人の手になる文書から歴史をたどることができる。

同氏は日本の自動車産業の礎、またトヨタの「ジャストインタイム」など近代経営の下地をつくりながら、キャラクターの薄さからか(父親の豊田佐吉のほうがキャラが濃い)、ノンフィクション、劇作品含め書籍で取り上げられることが少なく、ほかの伝説的創業者と比べると虹惨事資料が少ないこともあってか、本書はいまも同氏の(軽いものを含めた)評伝のネタ本として唯一無二。同氏、またトヨタに興味を持つ人であれば手元に置いておきたい一級の資料であり続けている。

大学出版社の本のため部数は少ないが新刊本で買える。また、中古本が半額以下で出ることがある(すぐに売れてしまう)。ネット中古本はすぐに定価以上の額になってしまうので注意が必要だ。




【著者】

豊田 喜一郎(とよだ きいちろう)

1894年豊田佐吉の長男。静岡県敷知郡吉津村山口生、愛知県名古屋市に転居。1920年東京帝国大学工学部機械工学科卒業。1926年豊田自動織機常務取締役に就任。1933年から自動車開発に従事。1937年にトヨタ自動車工業株式会社を設立、副社長に就任。1941年には社長就任。愛知県西加茂郡挙母町(現・豊田市)に自動車工場設立。終戦後、1950年に労働争議の責任を取り社長退任。1952年没。

単行本: 635ページ
出版社: 名古屋大学出版会
ISBN-10: 4815803587
ISBN-13: 978-4815803582
発売日: 1999/4/1

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