アイアコッカ―わが闘魂の経営 リー・アイアコッカ (著), 徳岡 孝夫 (翻訳)

フォードで数々のヒット車を生み出し、その後、日本車の攻勢などにより社の危機にあったクライスラー社長に就任したリー・アイアコッカの自伝である。

出版当時は、日米貿易摩擦の真っただ中。同氏はある意味で時の人で、一般の週刊誌などでも対日本の強敵あるいは好敵手として、日本車に対抗する同社の戦略をインタビューで語るなど、多く取り上げられていたものである。

本書では、同氏が手掛けたフォードでのマスタング開発秘話、とくに創業者の孫、フォード二世との確執、突然の社長解任、32年勤めあげた会社から去ることになるまでの顛末が描かれる。保身に走る幹部たちへの強い怒りの描写は人間味があふれる。クライスラー移籍は、その復讐戦として描かれている部分もあるのだ。

当時はイラン革命と石油危機などの新たな問題に直面しており、そのかじ取りについて語ると同時に、脅威としての日本車についてはトヨタのジャストインタイム生産方式、Hondaの低燃費への取り組みなどに実力を認めつつ勝機をつかむべく、執念を燃やす。

サラリーマンから駆け上がった彼の言葉は、時に感情的、感傷的に傾く傾向を含め、共感する部分が多かろう。日本で一般層に受け入れられた理由もここらあたりにありそうだ。




Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です