週刊現代 1971年9月7日 第13巻第40号 増刊 ドルと円の危機緊急特集号



週刊現代 1971年9月7日 第13巻第40号 増刊 ドルと円の危機緊急特集号

ドルと金の兌換停止、すなわちニクソンショックについて多角的に論じる。書き手はジャーナリストや研究者、財界人、評論家ら。国内有名企業の調査部長や経営者に論文を書かせ、製造業や銀行、サービス等々、それぞれの業界への影響を分析させているのも面白い。

円切り上げ、また固定相場制から変動為替相場制への可能性。政治的にはニクソンや佐藤栄作、また各国首脳の思惑。スタグフレーション、貿易赤字を抱える米国の現況。また共和党ニクソンの財界との深いつながり。「目的のために手段を択ばない鉄面皮」(森田実)との評価も。

日本やドイツなど力をつける新興国をターゲットとした側面にも注目、日本の転換点としての重要性にも言及する。「アメリカの甘えの上で築かれた高成長」(山田良三)としての高度経済成長期の終焉、高付加価値の輸出産業の創出の必要性などが指摘されている。戦前、為替を要因とした恐慌や農村の疲弊、二・二六事件、軍部台頭などの歴史があったことを踏まえた警告も。

わかりにくい為替の用語集、また一般投資家向け「特選銘柄」などもあり、一般読者の知識欲に応えるべく、熱量高く編集した雑誌史上に残る一冊だ。

 


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