日本資本主義の精神 なぜ、一生懸命働くのか


血縁社会でも地縁社会でもない日本社会において、擬制的な血縁集団として機能する日本企業。機能集団であるはずの企業は共同体に転化し、自己犠牲的にがんばる大量の労働者を生み出し、戦後の高度成長を支えた。本書は、そんな日本資本主義の精神を、カルヴィニズムが資本主義社会のエートスとなったと説いたウエーバーにならい、石田梅岩をはじめとした日本の思想家のピューリタン的精神性にその淵源を見る。また、日本陸軍や国鉄などの例を挙げ、擬制血縁集団の維持自体が目的化する、合理性のない仕事に身をささげる精神がたっとばれるなど、日本型資本主義のもろさも指摘する。労働生産性の低さや、労組のいまでいう非正規雇用者への冷淡さに触れていたりしるのも面白い。

【著者】

山本七平(やまもとしちへい)

1921東京生まれ。青山学院大学卒業。出版社山本書店店主として宗教関連の書籍を出版。保守系論核として人気作家に。在野の研究者として「山本学」とも呼ばれる日本人論などで知られる。代表作に『空気の研究』『日本人とユダヤ人』(イザヤ・ベンダサン名義)がある。


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