日本農業大改造論―明日の日本を憂え、あえて提言する (ノン・ブック―先見サラリーマン・シリーズ)


日本農業大改造論―明日の日本を憂え、あえて提言する (ノン・ブック―先見サラリーマン・シリーズ)

政治評論家竹村健一氏が、小農保護の名目で補助金を受けつつ土日に趣味程度の畑を作り、土地の値上がりを待つ都市周辺の富農と、高い農作物を買い、ウサギ小屋に住み、時価高騰で都心に家はもてず満員電車にゆられ、源泉徴収で所得を100%捕捉されるサラリーマンを対比し、農政の矛盾、農協の肥大化などを指摘、規制緩和と自由化を中心とした政策提言を行う。バブル期の本だが、現在まで言われ続けている内容ではある(今は全体が貧しくなったけれども)。内容の是非には触れないが、とにかくすごいのが「先見サラリーマン・シリーズ」と臆面もなく称する本だけに「会社員はちっとも豊かにならないのに農家は左うちわで・・」式の、プロバガンダとまではいわぬが、レバレッジがかけまくりのサラリーマンを先導し、あおりにあおる姿勢。説得力があるのも事実で、人の琴線に触れる、政治的な文章を書く人は大いに参考にすべし。80年代の「評論家」のアイコンであり、政治的立ち回り方もしたともいわれる著者。この本当は誰が書いているかもわからない(と言ったら失礼だが)本が、この時期にできたいきさつなど考えてみるのも楽しい。

 

 

【著者】

竹村健一(たけむらけんいち)

1930年大阪市生まれ。京都大学卒。アメリカ・フルブライト財団主催のフルブライト奨学金制度の第1号として、アメリカ合衆国のシラキュース大学、イェール大学、ソルボンヌ大学で学ぶ。英文毎日の記者、山陽特殊製鋼調査部長、追手門学院大学英文科助教授、拓殖大学客員教授などを歴任。マーシャル・マクルーハンの思想を紹介して文筆活動で知られるようになる。1980年台には膨大な数の著書、またテレビでの評論活動で人気に。「だいたいやねえ」など独特な語り口でも知られる。2019年死去。


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